私は“いい人”をやめた日。表面上だけ付き合うって、悪いことじゃなかった。
「なんか疲れるな…」
そう思ったのは、ほんのちょっとしたやりとりのあとだった。
相手がすごく苦手というわけじゃない。でも、一緒にいると、なんか変に気を遣ってしまう。
話を合わせたり、テンションをあげたり、「そうなんだ〜!」って無理にリアクションしたり。
悪い人じゃない。むしろ、いい人なのかもしれない。
だからこそ、「ちゃんと付き合わなきゃ」「失礼があってはいけない」って、勝手に自分にルールを課してた。
でもね。
ふと気づいたんだ。
「この人に嫌われないようにしてる間、私は自分に嫌われてる」って。
ある日、心がぷつんと切れたような感覚があった。
きっかけは本当に小さなこと。
SNSのコメントだったか、会話の中の何気ない一言だったか。
そのとき私は、心の中でこうつぶやいた。
「あ、この人と“ちゃんと”関わるの、もうやめよう。」
その代わりに決めたのが、“表面上だけ付き合う”っていう選択肢。
ちゃんと挨拶はするし、にこやかに話もする。
でも、無理して気を使いすぎない。深くは踏み込まないし、自分のこともあまり話さない。
最初は「冷たいかな?」とか「感じ悪くないかな?」って、ちょっとソワソワした。
でも、自分の心がどんどんラクになっていくのがわかった。
「表面上だけの関係」って、なんとなくネガティブな響きがあるかもしれないけど、
私はそれを“心の安全距離”って呼んでる。
本当に仲良くなりたい人には、時間も気持ちもたくさん使えばいい。
でもそうじゃない人とは、浅く、静かに、平和に付き合ってもいい。
みんなに優しくしなきゃ、って思ってたのは、
結局「いい人でいたい」っていう自分のプライドだったんだと思う。
それを手放したら、私の中にスペースができた。
「本当に大切な人に優しくできる余白」みたいなものが。
私は“いい人”をやめた。
そのかわり、自分のことを少しずつ好きになれた。
今もまだ、人間関係はちょっと苦手だけど、
「どんな距離で付き合うか」は、自分で決めていいってことだけは、もう忘れないと思う。